1999の年、7の月、空から恐怖の大王が降ってくる。
アンゴルモアの大王を復活させるために、
その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう。『百詩篇』

1999年を繰り返す巨大都市「東京」

2023年11月、占い師の佐倉エリスは奇妙な夢を見た。
煌々と灯りのともるビル街と行き交う人々。見慣れた東京――しかし、街頭のテレビが映し出す日付は、1999年12月31日。

百年に一度の「ミレニアム・イヤー」の到来。感動とともに2000年を迎えたはずの人々は、何の違和感もなく2度目の1999年元旦を祝っていた。虚無の壁を以て外部と隔てられ孤立した東京では、ほどなくして無貌の怪物とその眷属による襲撃が発生。人々は、異界の侵攻が迫る東京で“終わらない1999年”を繰り返す。

ここではない「東京」。令和の歴史の教科書には載らない、枝分かれした世界の史実。

――それは、令和を生きる誰もが知らぬ「もうひとつの東京」の物語。

舞台はWorld1『東京インソムニア』の並行世界

ほとんどの人は気づいていないが、この世は無数の並行世界によって形成されている。

世界が異なれば、物理法則も、そこに生きる存在の目的も、倫理観も、思考の仕組みすら異なる。異界と接することは極めて危険な状態だ。世界法則が入り混じり、崩壊の危機を呼び起こす。

我々が生きるこの世界は常に異界の侵蝕に晒されている。
異界の存在は生物が夜に見る夢を通じて入り込んでくる。異界の侵蝕を食い止められるのは、夢に潜って異界の存在と渡り合う特殊能力を持つ《ドリームダイバー》だけだ。
呼び名こそさまざまだが、人類は古くからこの能力を用いて世界崩壊の危機を免れてきたのだ。

時は現代、東京。君たちは特殊能力者である《ドリームダイバー》だ。
異界の悪夢《ナイトメア》に《ドリームダイブ》し、侵蝕を食い止めよ。
それが、World1『東京インソムニア』の世界だ。

――いや。世界だった。

新ワールド『東京インソムニア1999』の舞台は、1999年の終わりと同時に生じた並行世界のひとつだ。

1999年を繰り返す《ロールバック》に閉じ込められたこの東京に、もう《ナイトメア》は無い。だから、ドリームダイバーは目覚めた。すぐそこに在る異界の脅威に対抗でき得る、新たな異能《ドゥームダイブ》に。

異界の侵攻に抗う異能者《ドリームダイバー》

この世界は、外部から隔絶され、異界の存在が人々の目に見えるほど身近となった1999年の東京。

World1に生きる令和の《ドリームダイバー》がそうであるように、この世界のドリームダイバーもまた、一般人の目をしのんで異界の存在が作り出した 《ナイトメア》に眠りを通じてダイブドリームダイブし、力を行使していた。少なくとも、2000年1月1日に世界が初めのロールバックを起こすまでは。

ロールバックに閉じ込められた東京で、ドリームダイバーたちは夢に潜るドリームダイブ能力を失った。しかし、それは絶望を意味しない。異界の侵攻とともに《ゴーント》ら異界の存在たちがこの世界での『在り方』を変えたように、ドリームダイバーたちもまた、その能力を変化させたのだから。

異界の侵攻が進んだこの世界では、異界の存在《ゴーント》たちは《ナイトメア》よりも直接的な手段で人々を脅かす。眠りを通じて異界と接触した人間は《ドリームホルダー》となり、自身も気付かぬまま《侵蝕現象》と呼ばれる超常現象を引き起こしてしまう。そして彼ら《ドリームホルダー》は、人々が暮らす現実空間へと《ゴーント》ら異界の存在を引き寄せるのだ。

現実空間に現れた《ゴーント》は、周囲の人間を巻き込み《異界空間ドゥームスペース》を形成する。ゴーントの眷属らが跋扈する異界空間の中に囚われた人々は現実空間から消え失せ、自ら脱出することは叶わない。

異界空間に突入し、襲い来る《夢魔》と戦い、囚われた人々を救う事。
《バックドア》を破壊し、或いは創造主たる《ゴーント》を撃破し、異界空間そのものを崩壊させる事。
これらを為せる者は、新たな能力《ドゥームダイブ》に目覚めたドリームダイバーのみ。つまり、君たちだ。

君たちは異界空間の中で《夜の姿》をとり、異能を以て異界の存在に対抗する事ができる唯一の存在である。

あのシナリオをもう一度!
発注形式の新シナリオシステム

PBWのシナリオといえば、「一期一会」が基本だろう。
各マスターがひとつの世界観の中で魅力的なオープニングを公開し、プレイヤーはその中から参加したいシナリオを選択する。
しかし多くの場合、同じオープニングが二度公開されることは無い。どんなに魅力的なシナリオであっても、参加機会を逸すれば涙を呑むしかなかった。

アルパカコネクトの新ワールド『東京インソムニア1999』で新たに採用した「リアクト」は、そんなPBWにおける「一期一会」を根本から覆すシナリオシステムだ。

「リアクト」が可能なシナリオであれば、プレイヤーキャラクターは何度でも参加できる。商品種によっては、同じシナリオを別々のマスターの判定のもとで遊び、それぞれにリプレイを制作してもらう事も可能だ。
シナリオの参加人数・行動についても、従来のように「集団(パーティー)」を前提としたものもあれば、ソロやカップルなど少人数で挑戦できるものもある。
例えば同じシナリオに参加するとしても、ひとりか、集団かで、君の行動は大きく変わるだろう。
「あのシナリオ、もう参加した?」が挨拶がわりになるかもしれない、そんな世界が君を待っている。

さらに『東京インソムニア1999』では、全てのシナリオのリリース方法として「発注形式」を採用している。
マスターはリアクト用に用意された、または自身で制作したオープニングを予めシステムに登録し、受注設定を行う。プレイヤーは各マスターが登録し受注可としているオープニングを確認し、参加したいシナリオを選んで「発注」することでプレイヤーキャラクターを参加させることができる。

また、参加者の募集方法には、発注者が予め同行者を募った上で発注する「招待制」と、ひとりが参加状態になった時点から誰でも参加可能となる「募集制」がある。特定のメンバーだけで楽しむことも、偶然の出会いを楽しむこともできるのだ。

いつ、どのシナリオを、誰と、どのマスターを選んで遊ぶのか。
より自由度の増した環境の中で、楽しめる遊びの幅は無限大だ。

シナリオ結果に応じて進む《ワールドカウンター》

この世界は、外部から隔絶され、異界の存在が人々の目に見えるほど身近となった1999年の東京。

『東京インソムニア1999』では、全てのシナリオの結果が《世界》を動かす力を生む。
君たちのシナリオでの行動に応じて小説形式のテキスト「リプレイ」が制作され、同時に「成功度」も提示される。

この成功度から算出された数字が、コンテンツ内に設置された《ワールドカウンター》を進めていくのだ。

ワールドカウンターの数字は、1999年を繰り返す《ロールバック》に閉じ込められた世界の行く末を決める、重要な意味を持っている。
その数字が進めば進むほど、ドリームダイバーはロールバックする世界の『法則』に強く干渉し、世界が辿る滅亡の運命を捻じ曲げ、変えていくことができるのだ。

次のロールバックが起きる瞬間、或いは予め定められた瞬間に、ワールドカウンターが示す数字。その数字に応じて、世界が動いた事を示す「イベント」が発生したり、時には「特別なシナリオ」が公開されたりする事もある。

懐かしい「あの頃」ならではの、多彩な背景設定

物語の舞台は、1999年の東京をベースとしている。インターネットと携帯電話フィーチャーフォンが普及し始め、人々が手にする情報の量は格段に上昇。コギャルやギャルと呼ばれる独特のファッションに身を包んだ少女たちが街を闊歩し、人気歌手の新曲が発売されるたびにCDショップへ予約が殺到する。2000年1月1日にコンピュータが誤作動する可能性があるとされた「2000年問題」が話題となり、一部の人々はその対応に追われた。

そこは、代々東京生まれ東京育ちの者だけが住まい、動かす都市ではない。進学や就職で地方を離れて上京した人々やその子世代、孫世代――さらには、海外から居を移した人々も無数に存在し、共に生きる世界有数の巨大都市だ。

プレイヤーキャラクターも同じで、東京の生まれの者もいれば、都外出身の者もいる。初めのロールバックと同時に虚無の壁が発生し、外部から孤立した東京には、都外からカウントダウンイベントや深夜勤務のために訪れていて、帰宅できなくなってしまった者もいるだろう。

それを表現するため、プレイヤーキャラクターには「大阪出身のCDショップ店員」「帰宅難民のプログラマー」「海外と連絡が取れない留学生」など、懐かしい時代感と孤立した東京ならではの多彩な背景を設定することができる。

また、ドリームダイバーとしての活動歴も、キャラクターごとに設定できる。
世界が初めのロールバックを起こす以前から《ドリームダイブ》によって《ナイトメア》に潜り、異界の存在と戦っていたドリームダイバーである者もいれば、ロールバック発生後に初めてドリームダイバーとして目覚めた者もいる。
いずれの場合も、World1のドリームダイバーのような《ナイトメア》に潜るドリームダイブ能力は無く、かわりに異界空間に突入する事ができる《ドゥームダイブ》能力を得た者として設定される。

背景の設定がシナリオでの行動に役立つこともあるし、状況によっては不利に働くこともあるかもしれない。多彩な背景をもつドリームダイバーたちが集い、協力しあって異界の侵攻に抗う事こそ、『東京インソムニア1999』を人々が生き抜くために必要な力となるのだ。

キャラクターの特性は3つの要素で決まる!

《クラス》を構成する3つの要素は、それぞれキャラクターの能力値や判定に使用する値、スキルの種類、異界空間の中でキャラクターが顕現させる武器《IAアイデンティティ・アームズ》の形状に影響を及ぼす。
どのような特性をもつキャラクターを誕生させるかは、君たち次第だ。

《行》
キャラクターが生まれながらに持っている本質的な属性であり、「木」「火」「土」「金」「水」の5種類からなる。
《型》
キャラクターの行動パターンを体系化したものであり、「疑」「惑」「孤」「依」「影」の5種類からなる。
《オーラカラー》
人間をはじめ様々な物を取り巻いている心霊的な場《オーラ》の色であり、キャラクターの魂の傾向を示す。色は「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」「黒」「白」「金」の10種類からなる。

公式NPC

君たちと共に異界の侵攻に抗う公式NPC(ノンプレイヤーキャラクター)。
彼らもまた《ドゥームダイブ》に目覚めた《ドリームダイバー》であり、君たちと共に1999年の東京を生きる者たちだ。

▲PBWに参加するプレイヤー、マスター、クリエイター、運営者をイメージしたアルパカコネクトのコーポレートキャラクター。
PBWとは?

PBW(プレイ・バイ・ウェブ)は、物語を楽しむ遊びの一形態。「TRPGのウェブ版」などと言われることもある。

簡単に説明すると「ブラウザ等を介してシェアード・ワールド内にキャラクターをつくり、他のプレイヤーのキャラクターと一緒に冒険したり交流したりできる遊び」だ。

既存のコンピュータRPGなどと異なり、自分のキャラクターの行動は選択肢などに縛られず、プレイヤーが文章で自由に書くことができる。
プレイヤーが送信したキャラクターの行動は、マスターと呼ばれる判定担当者が成否などを判定し、小説形式の文章を作成してプレイヤーへ返却する。

PBWは行動をフリーテキストで入力するがゆえに、ほぼ無限に近い自由度を誇る。そして、自分のキャラクターの活躍を記したオリジナル小説が残るのだ。

さらには自分のキャラクターのイラストやボイスをクリエイターに依頼して作成してもらったり、キャラクターを通じて同じワールドに参加している他のキャラクターと交流したりすることもできる。

こうして物語世界を生きる喜びを疑似体験できるのが、PBWの魅力だ。
君も『東京インソムニア1999』に参加して、1999年を繰り返す東京で異界の存在と戦ってみよう!

2023年11月上旬 ワールドガイド公開
マスター参加申請受付開始

2023年11月中 キャラクター登録開始
テーラー商品受発注開始

2024年1月中シナリオコンテンツ開始

1999年の「東京」を舞台に、繰り返される滅びの運命に抗うロールバックPBW

『東京インソムニア1999』

ワールドディレクター(WD) 狸穴醒
運営 アルパカコネクト
メインイラストレーター 内河

運営Staff
井上ラー/桃谷かな/まつだ/西田/紀藤トキ

企画協力
炙りとろ左門/九弐ニデル/広大野人

©アルパカコネクト